忘れないよ

TSUYOくんにはきっと泣いていたこともお見通しなんだろうな。
TSUYOくんと目を合わせたら私の心を見透かされてしまうから、顔を見ないようにしよう。まっすぐ前を見て運転しよう。

TSUYOくんも察してくれたんだよね、きっと。食事しようって至って明るく言ってくれました。
今日はビールも飲んじゃう帰りの運転はTSUYOくんにお願いしちゃおうっと。
食事をしてアルコールも入ったせいか、少し気持ちも落ち着きました。腹ペコってカラダよりもココロに悪いらしい（笑）

TSUYOくんのことが堪らなく好きで自分すら見失ってしまいそうになるけれど、TSUYOくんとお別れしたら私はちゃんと進めるのかなぁ。TSUYOくんのことを忘れられれば辛くはないけれど、忘れたくないし忘れられない。TSUYOくんは私のこと、忘れちゃうかな。

「私のこと忘れちゃう？」
「忘れないよ」

忘れないでね。ずっと。

泣いて・凹んで・拗ねて

本当は“逢いたい”って言ってほしかったのに。“戻ってきて”って言ってくれると思ったのに。
悲しくて、情けなくて、泣けてきた。私って、馬鹿みたいだ
逢いたいのなら、逢いたいって伝えればいいだけの話なのに。それを出来ずに勝手にドツボにはまって、泣いてみたり・凹んでみたり。

泣いたついでに、今日はちゃんと伝える。泣いて・凹んで・拗ねてるから、八つ当たりしちゃう。

『戻れる？って言ってくれるかと思ってたのに…（：_；）』
…重いよね、重いよなぁ。かなり重いこれでは、泣いて・凹んで・拗ねてるのもバレバレだよね。元気な文を付け加えておかなくちゃ。
『今週もお疲れ様でした♪釣り、気をつけてね。媽祖様にお願いしたから大丈夫だね』

『駅においで。待ってるから』
ふーんだもう帰るもん…って思いながら、クルマの向きはTSUYOくんに向いてる。ダメ人間

でも、道路は混んでいるし、工事までしてる。これでは疲れてるTSUYOくんを待たせるばかり。今日は私にとって悪い星回りの日なんだなぁ、きっと
『時間がかかるから帰っていいよ（＾-＾）ごめんね』

TSUYOくん、私の家の最寄り駅まで行くよって。
最後に書き添えられた一言、
『すねるなよ！ヒッキー』

もう拗ねてるけど…。ええ、拗ねてますとも。
ヒッキーですけど。他人との付き合いは難しいんだもの、引きこもったっていいじゃない

…引きこもりそうだから、TSUYOくん、一緒にいて

のめり込みすぎ

TSUYOくんの仕事が終わる時間まで、“やっぱり帰ろう” “でも、もう少しだけ待とう”なんて葛藤を繰り返しながら、結局ずっと家には帰らずに過ごしてしまいました。
TSUYOくんからの連絡もないし、今日は会えないんだ。ようやく諦めて帰宅する決心がついたので、家に向けてクルマを走らせたら…。
『上がります。待ってくれてるの？』

…ええ。ずっと待ってました。でももう家に向かっちゃってるから、すぐには戻れない“待ってて”って言ってくれれば、ちゃんと待ってたのに…。
『終わらなさそうだから、家に向けて走り出しちゃった』

『そっか。じゃあ暫く遊べないね。俺も終わったから駅に向かいます』

TSUYOくんは、あっさりしてるんだ。会えなくても平気なんだね。
私ばかり、のめり込みすぎなんだよね、やっぱり

往生際

GW前の勤務はこれにて終了
…でも。TSUYOくんが会社に戻って来ない

このまま逢えずにGWを迎えるの
会社を出て、パーキングに到着。クルマを走らせたものの、TSUYOくんから一緒に帰ろうって連絡がないかなぁ、なんて思ってしまって帰れない。かと言って、一緒に帰ろうって自分からは言えない。

一緒に帰ろうって言ってほしくて、苦肉の策のメール。
『今日は遅いの？』
これで誘ってもらえなかったら、潔く帰ろうっと。

『来週の準備が出来たら帰るよ。7時半頃かなぁ』

…。
誘ってもらえなかった

潔く帰るって決めていたのに、どうして待っちゃうんだろう。
往生際の悪い…

鎖骨

TSUYOくんは眠ってしまいました。
私は、今日は眠れない。いつまでこうやって過ごせるかわからないんだもん。TSUYOくんの隣にいられることを満喫しておこう、今のうちに。

せっかくだから。
TSUYOくんの鎖骨。眠っているうちに触っちゃおう

本音は。

TSUYOくんと一緒に過ごしてから、眠い目をこすりながら帰宅するとTSUYOくんからメールが届きました

『今日、ちょっと聞きそびれてしまったので悪いがメールで失礼します。俺は一緒になりたいなと思っているんだけど、YUMIはどうですか。色々考えることはあると思うけど、今の気持ちを聞かせてください。突然でゴメン』

一瞬で眠気が覚めました
普通の女の人だったら、こんなことを言われたら嬉しくて「きゃ～」なんて叫んじゃうのかもしれないけれど…私の場合、素直に喜べない。
とても嬉しいけれど、喜ぶよりも先に色々な現実が頭をよぎって、いつも結論は“TSUYOくんの幸せを壊したらいけない”

TSUYOくんと一緒になれたら私はとても幸せになれるけれど、TSUYOくんを含め周囲の人は幸せではなくなってしまうような気がします。

せっかくのメールなのに、私の返信は、
『これからもずっと一緒にいられたらYUMIは幸せだけど、でも何度も言うようだけど、TSUYOくんの人生はくるってしまうかもしれないです』

本音は、現実を捨ててでもTSUYOくんについていきたい。TSUYOくんにさらってほしい。

でも。
私の人生はくるってしまっても構わないけれど、TSUYOくんの人生は壊したくない。大切な人だから。

現実、責任、人生、そういったものを受け入れた上ですべてをうまくこなす度量が、…今の私には、ない

悩みの種

TSUYOくん、今日は仕事が早く終わりそうなんだって。一緒に帰ろうって誘ってくれました。

TSUYOくんに、私の気持ちが凹んでいることを気付かれたくない。
なので一緒に帰ることにしたけれど、普段どおりに振舞っているつもりだったけれど、やっぱりTSUYOくんには気付かれてしまいました。

私の様子がおかしいと、TSUYOくんは私のことを見つめます。TSUYOくんに見つめられると心の中が見られているようで、落ち着かなくなってしまう。

「なにか悩み事があるの？」
「考え事してるの？」
なにも思い悩んでいないフリをしたけれど。

考えていることは、TSUYOくんに関することばかり。
“ どうして上手に想いを伝えられないんだろう ”
“ ずっとTSUYOくんのそばにいたいけれど、でもそうしてしまったらTSUYOくんの人生を壊してしまう ”
“ もっとTSUYOくんに愛されて、TSUYOくんの忘れられない人になりたい ”
挙げきれないほどの思いが、私の心の中にあります。

このあいだTSUYOくんが「一緒になろう」って言いました。
何の気なしに口から出た言葉なのかもしれないけれど、私にとってはとても重い言葉でした。

一緒になりたい。

でも、TSUYOくんが失ってしまうものが多すぎる。TSUYOくんの負担となってしまうことが目に見えてる。
だから、一緒になることはきっとできない。一緒になったらいけないはず。

こんなふうに自分の気持ちさえも持て余しているのに、全てをうまく収めようとする私自身が、一番の悩みの種なのかも。