着信音

TSUYOくんと一緒の帰り道。
今までと決定的に変わったこと。それは、TSUYOくんの携帯のKUMIさんからの着信音に怯えなくなったこと。

KUMIさんとTSUYOくんはきっと毎日ラブコールをしていたんだろうな、私と一緒にいるときにも必ず毎回着信がありましたその度に私は気分が落ちてしまって、何度となく泣きました「電話、出て。心配するよ」なんて言いながら…。TSUYOくんの幸せのためにKUMIさんとの恋愛を大切にしてほしかったので、電話に出てほしいと思うのは本心からだったけれど、それでも着信音で現実を突きつけられて悲しかった

私と一緒に過ごしてくれる月日が経ち、TSUYOくんは携帯の着信音を消し、最終的には電源を切るようになりました音は鳴らなくなったけれど、いつになっても“KUMIさんからの着信”が頭から離れることはなく、結局は着信のありそうな時間になると落ち込んでしまう私がいました。

今、TSUYOくんの携帯はいつでも電源が入っています。KUMIさんからの着信はありません。

…やっぱり、本当にKUMIさんと別れてしまったんだね。